人から頼られると嬉しいけど、心の中では疲れ果てている

こんにちは。
心理カウンセラー 神木春人です。

今日は、「人から頼られると嬉しい反面、心が疲弊している」という経験をしている方に、お話をしたいと思います。

「周りから頼りにされるのは嬉しい。でも、正直、いつも期待に応えようと頑張りすぎて、心の中はクタクタ…。本当の気持ちを誰かに話せたら、どんなに楽だろう…。」

もし、あなたがそう感じているなら、それはあなただけではありませんよ。
一緒に解決の糸口を見つけていきましょう。

あなたに必要なのは、「スキーマ療法」です。

これは、幼少期の経験などから形成された、自分自身や世界に対する根深い信念(スキーマ)に焦点を当て、それをより健全なものへと変容させていく心理療法です。

他人軸で生きるのではなく、自分軸で生きること。
それが、心の疲れを癒し、あなたらしい人生を歩むための第一歩です。

なぜなら、他人軸で生きている人の多くは、幼少期に形成された「見捨てられスキーマ」や「欠陥スキーマ」など、不健全なスキーマを持っていることが多いからです。

見捨てられスキーマ:
「どうせ私は人から見捨てられる」という不安を常に抱えている。

欠陥スキーマ:
「私には価値がない」「私は愛されるに値しない」と思い込んでいる。

服従スキーマ:
「他人の期待に応えなければならない」「自分の意見を言ってはいけない」と感じている。

これらのスキーマは、無意識のうちに行動や思考に影響を与え、他人からの評価を過剰に気にしたり、自分の意見を言えなくなったり、「ノー」と言えずに無理をしてしまうといった問題を引き起こします。

スキーマ療法では、これらのスキーマを特定し、それがどのように現在の問題につながっているのかを理解することで、より健全な思考や行動パターンを身につけていくことができます。

たとえば、幼い頃、親の期待に応えようと必死に頑張ってきた女性がいました。
彼女はいつも「いい子」でいることを求められ、自分の気持ちを素直に表現することができませんでした。

親から十分な愛情を受けられなかった経験から、彼女は「自分は愛されるに値しない」という「欠陥スキーマ」と、「人から見捨てられるのではないか」という「見捨てられスキーマ」を形成してしまいました。

大人になった彼女は、職場でも、友人関係でも、常に周りの期待に応えようと努力し続けました。
頼られることは嬉しかったけれど、心の中はいつも不安と疲労感でいっぱいでした。

それは、彼女の行動の根底に「欠陥スキーマ」と「見捨てられスキーマ」があったからです。

そんなある日、彼女は「このままでは自分が壊れてしまう」と気づき、カウンセリングを受けることを決意しました。

カウンセリングを通して、彼女はスキーマ療法に取り組みました。
自分の過去の経験と向き合い、そこで形成されたスキーマが、現在の自分の生きづらさにどのように影響しているのかを理解していきました。

そして、スキーマに挑戦し、より現実的で健全な考え方や行動パターンを身につける練習をしました。

最初は難しかったけれど、カウンセラーと一緒に、少しずつ自分のスキーマと向き合うことで、彼女は自分の価値を認め、自分を大切にすることができるようになりました。

すると、彼女の心は少しずつ軽くなり、自分らしさを取り戻すことができたのです。

彼女は過去の辛い経験とスキーマから、「自分を大切にすること」の重要性を学び、新たな一歩を踏み出すことができました。

この女性のように、「スキーマ療法」を取り入れることで、過去の経験から形成された不健全なスキーマに気づき、それをより健全なものに変容させていくことが可能になります。

これは、自分自身との関係を改善し、より生きやすい人生を歩むための、効果的な方法です。

人から頼られることが嬉しくても、心が疲弊してしまうのは、幼少期に形成された不健全なスキーマが影響している可能性があります。

「見捨てられ」「欠陥」「服従」といったスキーマは、他人軸で生きることを余儀なくさせ、心に大きな負担をかけてしまいます。

スキーマ療法は、こうした心の奥深くに根付いたスキーマに焦点を当て、それを健全なものへと変容させていくための効果的なアプローチです。
自分の過去の経験と向き合い、スキーマが現在の自分にどのような影響を与えているのかを理解し、スキーマに挑戦していくことで、他人軸から自分軸へとシフトしていくことができるのです。

「もしかしたら、私にも当てはまるかも…」と感じた方は、ぜひスキーマ療法を試してみてはいかがでしょうか。

カウンセリングを通して、あなたの心の奥深くに眠るスキーマと向き合い、より健全な思考や行動パターンを身につけていくことができます。

キラッと光るボタン